限りなくオキアミに近いブルー…はたして青いオキアミで釣れるのか!?
このタイトルで、ぱっと村上龍さんだと気づかれた方は、もしかして同年代でしょうかね…自分で書いてて懐かしくなりました。もう一度読み返してみようかなw
ということで標題のとおり、前回の記事で仕込んだ青いオキアミ実釣編です。
青いオキアミなんて釣り具屋さんはもちろん、ネットでも見たことがありません。
これは、誰かが挑戦した結果やはりダメだったのか、それとも誰も試したことがないのか?
もし後者ならわたくしイノベーターということではありませんか!?
ともあれ売ってないなら作るしかなく、作ってみたら釣ってみるしかない、ただ魚がいないところに行っても実験にならないので、久しぶりに行ってまいりました明神岬。
場所についての詳細はこちらの記事をご参照ください
あ、ちなみに私のことですからこの先きっと長文になります(これが編集者のいない恐ろしさ)。今回はお急ぎの方のために、まず結果からお伝えしておきますね。
結論、青いオキアミでグレは釣れます!
そしてエサ取りの反応は…むふふ、、、これは続きを読んでくださいな^^
驚きですよ。
山を降りてはみたものの…
釣行日は満月(ストロベリームーン)から三日後の6月16日、中潮初日です。
夜の7時がこの日2度目の満潮でしたので、いつもどおり昼過ぎにのんびり出発して夕刻から下げ狙いで行ってみました。
満月・新月あたりはおかしな運転をする人が増えるので、焦らずゆっくり下道で向かいます。えぇ、単に高速代ケチってるだけですw
とか言ってたら、のんびりしすぎて大房岬の駐車場に着いたのは夕刻6時を回っていました。急いで背負子にバッカンとタックルケースを積み、ロッドケースを担いで磯に向かいます。少々南西風が吹いてますが、まぁ心配するほどじゃないでしょう。
なお今回はオキアミのテストですのでフカセ釣りの予定です。しかし、ついつい欲が出て遠投カゴ用の道具も一緒に持って行きます。重い…
この釣り場は魚影が濃く(あくまでも内房の中では…)、わりといい思いのできる場所なんですけれど、いかんせんアクセスが辛い。釣り場に着くまで現地の状態が分からないので、波風が強かったり、先釣者がいたりすれば、また来た道を重荷を背負って帰らないといけないんですね。ある意味ギャンブルです。そして運よく釣りができたとしても、当然ながら急な階段を上らないと帰れません。私は半夜釣りが多いので、鬱蒼とした森の中を一人ヘッドライトを頼りに上るわけです。これを物好きと言わずなんと言いましょう。翌日は足がパンパンです。
この日は山を降りるまでそれほどの風もなく、ときおり木々の間からのぞく海面は静かなように見えました。今日の海は優しそうだぞ…とほくそ笑んでいたんですが。
実際に階段を下り切って磯に立ってみると、南西から吹き荒れるものすごい暴風、、、
まぁ、釣りあるあるですね。
メイン釣り座の真正面からざっと15~20mくらいの風が吹いています。
天気予報大外れ。南風が入るのは明日からって言ってたのに…海自体は凪に近いものの、強風のせいで海面は荒れ、打ち寄せる波が風に砕けて雨のように振りかかります。
うーん、、、、普通ならどう考えても場所替えするシチュエーションなんですが…マキエを担いで同じ山道を上る気にはどうしてもなれず、釣りを決行することにしました。
爆風のなかコマセをまぜて仕掛けを作るものの、まぁ鈎の結びにくいこと。
しかし「遭難したら焦った奴から死んでいくんだ…ただ風が強いだけだ…」なんてオーバーなことを考えながら、一つ一つの行動をゆっくりと確実に行います。
この明神岬、磯は広大でどこでも釣りができそうに見えて、実際は四方をハエ根に囲まれているせいでまともに釣りができるのは2か所しかありません。西向きのメイン釣り座か、岬右側の北向きの釣り座です。
仕方なく北向きで釣りを始めてみましたが、左後方から吹き付ける風は容赦なく竿を曲げ、おまけに時おり体を押すほどの突風が吹きます。
ちなみに今回のマキエレシピはオキアミブロック3キロに、ダイワの青いやつを一袋、そこに安定のマルキューV9徳用を半袋、パン粉1キロ、米ぬか適当(1キロくらい)です。
青いオキアミで釣るならやっぱ青いやつ入れなきゃね。ただ本当なら、オキアミをもう1ブロック入れないといけない割合なんですが、担ぐことを考えてあえて減らしました。かわりに水分不足を米ぬかで締めて補おうと思ったんですが、これが功を奏しましたね。おかげで強風下でもマキエがまとまり、ある程度の距離を飛ばすことができました。
釣始めが満潮ですので、ひとまず固定仕掛けの2ヒロ半でスタート。ちなみにこれだけ風が強いと、半遊動では道糸部分を風が引っ張り仕掛けが浮いてしまいます。ただ固定にしてもウキ下が長いので、それはそれで取り回しに苦労します。
仕掛けを回収して竿を上げても、風でウキがなかなか手もとに降りてきません。バタバタしながら、ようやくウキを掴んだころにはハリスが絡みまくっています。うぅ…
最初は普通のオキアミや青イソメ、モエビなどで様子を探るもかかってくるのはお決まりのネンブツダイやフグばかり。小一時間ほど、けっこうなペースでコマセを入れて投入を繰り返しますが、なかなか本命のアタリはありません。
そこで試しに、青オキアミをつけてみます。
さぁ、青いオキアミに魚は反応するんでしょうか!?
はい反応しましたぁー!うえぇぇーん・・・・
魚の反応があったのは嬉しいんですが、、青に変えたとたんネンブツダイが高活性に。
好きなんですねぇ。。。(このとき、大事なことに気づいてない…)
ウキをB→3B に変更し、ハリスにガン玉を段打ちしたり、投入点やウキ下を変えて探りますが、まぁエサ取りの嵐。
おまけに上潮は滑るというか、もう流れるかんじ。あっという間に右手奥の浅瀬に運ばれてしまいます。おまけに上潮が激しく動くせいで底荒れしだしたのか、海藻がかかるようになってきました。
浅瀬の多い房総ならでは。エサ取りを釣るか、海藻を釣るか、根掛かりするかの3択です。
本来ならウキを沈めるパターンですが、夜釣りだし、こんな風のなかでアタリなんか取れないし…打つ手なし。
オキアミのテストのはずが、とんでもない荒行になってしまいました。
夕飯を食べながら考えたこと
竿を両手で支えながら、体をすぼめて耐えていましたが…
はい休憩!待てば果報の便りあり、ということでちょっと早めの休憩タイムにしました。時間がたてば風も収まるかもしれない…とはいえ辺りは爆風&波しぶきなので、岬の根元、北向きの岩場の陰で隠れるようにおにぎりもぐもぐ…
ここでも風は吹きますが、先ほどの釣り座に比べると幾分ましです。
ここで釣りができればいいんだけどね。。。ここは満潮でも2ヒロくらい、月が出てれば夜でも底が見えます。しかも一年中海藻が生えており、今まで一度も竿を出したことがありません。
もぐもぐ…もぐもぐ…
こんな浅瀬に魚がいるはずないけれど、どうせ今夜は負け戦。。。
帰る前に撒き餌を減らしたいので、ただそのために、ダメ元で竿を出してみるか…と思ったわけです。
食後にゆっくり一服して、バッカン、竿、タモ網を運びます。
軽くヘッドライトを照らすとやはり浅い。仕掛けを房総名物の1ヒロ半で固定にして、何気なく投入します。しかしやはり高速上潮のせいであっという間にウキは右側へ流れていきます。
むぅ、、、そこでウキは3Bのまま、ガン玉をすべてはずし、潮受けのよい水中ウキに変更です。滅多に出番はないんですが、いざというときのチート兵器。
さらに固定仕掛けをやめてウキ下半ヒロ、ハリス1ヒロにします。これなら水中ウキが道糸の浮き上がりを抑え、先ほどより半ヒロは深く仕掛けを入れられるはず…
しかし期待はしてないので、ノーマルオキアミをつけて適当に投入、撒き餌を捨てるつもりでドカドカ撒きます。
すると、なんと仕掛けを変えて一発目でウキがシュパッと沈みました!
エサ取りとしか思っていなかったので、合わせも適当に…んっ!?
んんんんんっ~~~~????
引いている、、、それもすごい力で、、、、完全に先手を取られ、気付いた時には竿先はすでに海面に潜っています。
しまった!!!レバーに指をかけた瞬間、重さが抜けます。。。。はぅあぁ!!!
痛恨のハリス切れ。。。。
いたんですね。。何かが。。。くっそーー。。。
いまのが唯一の1枚だったかもしれないと思うと辛酸舐めまくりですが、すでに脳内にはアドレナリンがあふれ、全身にやる気がみなぎります。目が覚めました!
速攻で同じ仕掛けを作り、再度ノーマルオキアミを投入。
しかしフグ! 赤・黄オキアミは?フグ! 青イソメは?フグ! モエビは?フグ!
おぉ、なんと、、、ネンブツダイがいない代わりにここはフグの巣ではないですか。
ますます先ほどのバラシが悔やまれます。
何度か鈎を飲まれては結びなおし、、、数投目のウキの反応に合わせると、ようやく力強い引きが伝わってきました!
しかしまぁ、よく引く引く! 浅瀬の口太はまるで尾長のようなツッコミをみせます。こんなに曲がった2号竿見たことない。ようやく浮かせたのは34cmほどの口太グレです。
それにしても、、、、ここで釣れるなんて!
そこでふと思ったのは、さきほどのお食事。私は風を避け、岩場に隠れて夕食を取りました。これって、もしかして魚も同じなんじゃないか? 海中に風は吹かないけれど、風で海が荒れると、その荒れを避けるように、普段は行かない場所でエサを探すのではないか?奇しくも、ここ明神岬では人と魚の風除け場所が同じだったんですね!
(とはいえ今の時期のグレは海藻をよく食べるので、たんに海藻の多い場所にいただけかもしれません)
青色オキアミの実力やいかに!?
ひとまず釣果がでたので、ここからは思う存分、青色オキアミのテストができます。
もしかするとネンブツダイの嵐かもしれませんが、それはそれでよし。
慎重に、いちばん形の整ったやつをえらび、鈎につけます。
風に逆らってやや左側にライナー気味にキャストし、無駄な糸ふけを出さないようベールを閉じて強引に海面に落とします。強風下では少しでも気をぬくと一気に道糸が風にあおられライントラブルの原因になります。
今日はどうしたってウキが仕掛けより先行しますので、ウキより潮上にコマセをドバドバ!
しばらく無反応…水中ウキのおかげで少し減速したウキは、左側から目前を過ぎ、右側へ流れ、少し潮がゆるんだところで、、、、
すぱっ!
食った~~~~!!!!!
合わせを入れると、フグじゃなーい!これもいい引きです。
根に潜ろうとする魚を竿の力で精いっぱいとめて、無事にネットインしましたのは、
先ほどよりのやや大きめの(尾長?)グレでした。
食いましたよ!青いオキアミを!
新しいエサのテストと言うには役不足ですが、少なくともグレが青いオキアミに反応することが分かったので喜びもひとしおです。
みなさまお気づきでしょうか…
その後、同じように仕掛けを流すもアタリは遠のき、深夜0時を過ぎて潮位が100センチを切りましたので納竿にしようかと思ったのですが。
ふと、あることに気が付きました。
あれ?もしかして…
直感を試すために、エサを普通のオキアミに変えて投入してみます。すると、フグが釣れるんです。イソメに変えても、もちろんフグ(大好物ですから)。そして再度青オキアミを流すと、、、なんと、、、、エサが残ってきます。
そうなんです。この青いオキアミ、フグが反応しないんですよ!!!
これは嬉しい発見でした。もちろん、まだ一回しかテストしていないので、場所や時間帯を変えて試してみる必要はあります。また、ネンブツダイは反応するので万能ではありませんが、この南房総におけるエサ取り2大巨頭のうちの片方に強いエサというのは驚きの発見ではないでしょうか!?
引き続きテストを続けますので、新しいことが分かり次第ご報告しますね!
時間がたてば収まるかと期待した風も、思惑に反してますます強くなり、今度こそ納竿としました。もちろんこんな状況でカゴ釣りなんてする気も起きません。
残ったマキエはジップロックで冷凍庫保管するとして(嫁さんブーブー)、風から逃げるように急いで片付けて帰宅しました(翌日はちゃんと筋肉痛になりました💦)。
持ち帰ったグレはシンプルにお刺身にして家族で美味しく頂きました。
おなかの中はマキエと一緒に海藻がぱんぱんに詰まっており、これが、これからの季節のグレの磯臭さの原因のようです。ただ、内臓を取る際におなかの黒い膜をキレイに落とし、身の水気を丁寧に拭きながら捌くだけで匂いはかなり抑えられます。
それにしても今回は、付け餌のことや釣り座のことなど、新しい発見のあった有意義な釣行でした。
強風はほんとに嫌なものですが、やはり諦めずに試行錯誤を重ねることで見えてくるものもあるんですね。
とはいえ、本来は夜間単独の地磯釣行は危険ですし、荒れ模様だとなおさらです。
みなさん、くれぐれも安全に留意して楽しんでください!
産卵を終えて体力を回復するために荒食いする、いわゆる梅雨グレは今がシーズンです。いつも以上に引きが強いので、太めのタックルがおすすめですよ!
さてさて、、、クロダイ日報なんて看板を掲げておきながら、毎度グレばっかり釣ってて申し訳ありません…あとひと月もすれば産卵後に深場に潜っていたクロダイたちが戻ってくるはずなので、そこでも青オキアミを試してみようと思います!
今回もお読みいただきありがとうございました!
相変わらずの長文、どうぞ通勤&一服タイムのお供にして頂けると嬉しいです。
いつも本当に、自然の恵みに感謝です!